津波・高潮・高波の違いとは?発生する原因や発生時の対応をご紹介
2023年10月01日
皆さんこんにちは。横浜市民共済生活協同組合です。
海での自然災害「津波」「高潮」「高波」の違いを知っていますか?
海で発生する「波」にはさまざまな種類があり、発生の原因によって名称が異なります。
いずれの災害も海水が防波堤などを超え、甚大な被害を及ぼす危険があるので注意が必要です。
いざというときに適切な対応ができるよう、それぞれの特徴を理解しておくことはとても大切です。
そこで今回は、津波・高潮・高波の違いについて詳しく解説!
それぞれの特徴や発生する原因、発生時の対応を詳しくご紹介します。
目次
津波・高潮・高波の違いとは?特徴や発生する原因を確認
海での自然災害、津波・高潮・高波の違いは、それぞれが発生する原因にあります。
詳しくご紹介していきましょう。
津波
津波は、地震や海底火山の噴火に伴う地殻変動が原因で発生します。
海底の地盤が大きく隆起することにより、周囲の海水が移動し、大きな波となって広がる現象が津波です。
天気予報などでよく聞く、通常の波浪(強風によって海面付近の水が波立つ現象)と違って、津波は波と波との間隔である波長が非常に長く、海底から海面までの大量の海水が巨大なかたまりとなって押し寄せます。
そのため、陸地に到達しても波の勢いが衰えないまま陸地の奥まで浸水し、家屋の破壊などの大きな被害を及ぼす可能性があります。
津波は速度が速く、見てから逃げるのでは間に合いません。
津波は繰り返し何度も襲ってきます。
後からくる津波の方が高くなることもあります。
高潮
高潮は低気圧や強風の影響で発生します。
その主な原因は、「気圧低下による海面の吸い上げ効果」や「強風による吹き寄せ効果」「波浪による海面上昇」があげられます。
「気圧低下による海面の吸い上げ効果」とは、台風や低気圧の中心は気圧が非常に低くなり、その部分の空気が海面を吸い上げるように作用する結果、海面が上昇すること。
「強風による吹き寄せ効果」とは、台風などによる強い風が海岸に向けて吹き続けることで海岸付近に海水が集まり、海面が上昇すること。
「波浪による海面上昇」は、大きな波が時間を空けず到達し、陸地に近い場所に多量の海水がたまって海面が上昇してしまう現象です。
波が大きければ大きいほど、海面の上昇も大きくなります。
これらの要因で海面が異常に上昇し、短時間のうちに急激に潮位が上昇することを高潮といいます。
高潮は海面が高い状態が数十分と長い時間続くため、堤防を越えて水が流れ込む可能性があり、注意が必要です。
台風の強風が吹き込む風上側に開けたところや、湾が奥まったところ、遠浅の湾では高潮が発生しやすくなっています。
高波
高波は、低気圧が発生したときに起こる強風によって発生する高い波です。
気象庁の定義では、波浪注意報・警報の対象になる規模の高い波を高波としています。
海岸付近では、高波にさらわれ、海の中へ引きずり込まれてしまうことがあるため危険です。
船の横転や沈没などの高波の被害もあるので注意しましょう。
津波や高潮が発生したら?発生時の対応をご紹介
津波や高潮から身を守るためにはどのような対応をすれば良いのかをご紹介します。
津波の場合は、とにかく高い場所へ避難する
強い地震の揺れや、弱くても長時間続くような地震があった場合は、すぐに避難してください。
海岸や川沿いにいる方、沿岸部などに住んでいる方、津波の危険区域に入っている方は、警報や注意報を待たずに直ちに避難を開始します。
避難場所にこだわらず、できるだけ高いところに避難をしてください。
この際、「ここなら安心だろう」は禁物です。
さらに高い場所に移動できそうな場合は、そちらに避難をしましょう。
避難後は、警報や注意報が解除されるまでは、避難場所を離れないようにします。
津波は繰り返し襲来するので、自己判断で避難を解除することのないようにしてください。
また、津波の到達予想時刻は前後することもあるため、到達時刻を過ぎても避難を継続してください。
揺れを感じなくても津波注意報が発表された場合は、海岸や川沿いから離れてください。
沿岸部など津波の危険性がある区域に住んでいる方は、避難情報・警報等をチェックしつつ、いつでも避難ができるように準備をします。
高潮への備えは、警報や注意報に注意する
台風が接近しているときは、台風情報や波浪、高潮、暴風などの各警報や注意報を確認して、避難などの早めの対応を心がけましょう。
気象庁のホームページでは、気象情報や警戒レベルをリアルタイムで確認することができます。
台風や低気圧が近づいているときは、こまめにチェックし、避難する際の判断に活用してください。
すでに高潮が発生して浸水が始まっている場合は、無理に屋外に避難はせず、自宅の最上階へ避難します。
避難場所まで行けない場合は、3階以上の建物へ避難しましょう。
災害時に適切な対応ができるよう事前準備をしておこう
災害時はパニックに陥ることも多く、適切な判断が難しくなってしまう可能性もあります。
災害時に迅速に適切な行動ができるよう、平時に備えておくことが大切です。
まずは危険箇所の確認をします。
住んでいる地域が津波や高潮の危険がある場所かどうかを知っておくことが大切です。
自治体のハザードマップなどで、標高に応じた浸水想定区域などの危険箇所や避難場所をあらかじめチェックしておきましょう。
避難場所は実際に歩いて確かめてみることが大切です。
避難場所は家族でも共有しておき、万一のときにそれぞれが避難場所にたどり着けるようにしておきます。
また、津波の危険のある場所には津波が襲来する危険があることを示す津波標識が設置されています。
海の近くにいるときは確認しておきましょう。
避難をする場合は、いち早く行動することが大切。
避難時に持っていく物などは、普段から準備をしておくと安心です。
「避難時の持ち物、最低限準備したいものはこれ!日頃から災害時の備えを」では、避難時の持ち物について詳しくご紹介していますので、あわせてご覧ください。
【まとめ】津波・高潮・高波の特徴を理解して災害に備えよう
「津波」は、地震や海底火山の噴火に伴う地殻変動が原因で、周囲の海水が変動して大きな波となり陸地へ押し寄せる現象のこと。
「高潮」は、低気圧や高風の影響で発生し、吸い上げ効果や吹き寄せ効果により短時間のうちに急激に潮位が上昇する現象のこと。
「高波」は、強風によって起こる高い波のこと。
津波や高潮から身を守るためには、「高いところに、いち早く避難する」が鉄則です。
災害時にすぐに行動に移せるよう、事前に危険箇所や避難場所のチェックをしておくことや警報や注意報に注意しておくことを心がけましょう。
日頃から備えておくことが自分の命を守ることにつながります。
もしもの場合に備えて、火災保険の見直しも一度検討してみてはいかがでしょうか。
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横浜市民共済では損害の程度によって「地震見舞金」や「風水害等見舞金」をお支払いしており、津波や高潮の被害はこれにあたります。
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監修:横浜市民共済 普及推進課