バッテリー火災にご注意を!
2023年07月27日
皆さんこんにちは。横浜市民共済生活協同組合です。
近年急速に普及したスマートフォン(スマホ)。2023年現在は、年代に関わらず高い所有率に達しており、60代は9割強、70代でも8割弱という調査結果も出ています。
もう自分の生活から切り離せない!という方も多いのではないでしょうか。
そんな生活必需品になりつつあるスマホですが、便利なだけではありません。
最近になって「スマホが発火した」「モバイルバッテリーが爆発した」などのニュースを耳にすることが増えてきました。
大切な連絡先や思い出の写真などが保存されているスマホ。
それが発火により火災を起こしてしまったら一大事です。
今回はスマホやモバイルバッテリーの発火原因をご説明するとともに、発火を防ぐ対策をご紹介します。
目次
バッテリーの発火原因と対策
スマホや充電式モバイルバッテリーにはリチウムイオン電池が内蔵されています。
このリチウムイオン電池は非常に精密な構造をしており、薄い膜のような絶縁体が使われています。
発火の主な原因はリチウムイオン電池の外部からの損傷です。
絶縁体が損傷を負うことで機能を失い、発熱・発火に繋がってしまうのです。
リチウムイオン電池が損傷を負う例
リチウムイオン電池が外部から損傷を負う状況の例を見てみましょう。
- ●スマホを壁や物にぶつけたり、落下させたりなどの強い衝撃を与える。
壁への衝突や床への落下によってスマホに衝撃を与えると、内部のバッテリーが損傷する危険があります。
スマホは精密機械ですので注意して持ち運びましょう。
- ●スマホの上に重い物を置き、負荷をかけてしまう。
スマホを床に放置し、布などを被り気付かずに重い物を置いてしまったり、ズボンの後ろポケットに入れてスマホの一部に集中的に体重をかけてしまったりすると、内部のバッテリーに負荷を与えてしまうかもしれません。
発火に繋がるので十分注意しましょう。
- ●修理や改造をするために自分でスマホを分解する。
バッテリーは繊細な仕組みになっているので、自分で修理や改造をすることはオススメできません。
知らないうちに大事な部品に傷をつけてしまう可能性があります。また、正規品ではないバッテリーへの交換も控えましょう。
- ●ストーブなどの火のそばに置く。
バッテリーが高温にさらされると、液漏れや破裂などによって、発火する危険があります。
絶対にスマホをストーブやコンロのそばに放置してはいけません。
- ●ペットが触れられる場所に放置する。
ペットが噛んだり落としたりして、スマホを損傷させることがあります。
実際に、ペットにスマホを噛まれたことによる火災の事例も発生しています。
くれぐれも、ペットの手が届く場所への放置は控えましょう。
間違った充電方法も発火の原因に!
- ●自動車の中で充電し、放置する。
スマホのバッテリーは熱に弱く、熱がこもって膨張、破裂する恐れがあります。
車内は高温になるのでスマホを充電しながら放置するのは危険です。
- ●直射日光の当たる場所で充電し、放置する。
日光によりスマホに熱がこもり、発火する危険があります。スマホの充電は直射日光の当たらない場所で行いましょう。
- ●スマホの熱を冷ますために食品用の保冷剤などを使う。
スマホの熱を手っ取り早く冷まそうと、食品用の保冷剤などで冷やしてはいけません。
急激な温度変化によってスマホの内部に結露が発生し、故障の原因となります。
スマホの熱を冷ましたいときは、充電をやめて冷ましたり、スマホ用の冷却シートや冷却ファンを使用しましょう。
- ●劣化したバッテリーを使用し続ける。
劣化したバッテリーを使用し続けていると、発煙や発火の恐れがあります。
充電の減りが異常に早くなってきたらバッテリーが劣化しているサインです。
また、スマホが膨張していたら早急にバッテリーを交換しないと危険です。
リチウムイオン電池の発火は危険!
スマホが発火しても大きな被害にならないと思う人もいるかもしれません。
しかし、リチウムイオン電池の発火は大変危険です。
リチウムイオン電池には引火性溶媒が用いられており、引火すると非常に激しく燃焼します。
スマホと同じくリチウムイオン電池が使用されているモバイルバッテリーの発火映像がありますので、その危険性を確認してみましょう。
【動画】「4.インターネットで購入したモバイルバッテリーから発火」
動画出典:NITE 独立行政法人 製品評価技術基盤機構
発火してしまった時の対処方法もチェック!
万が一バッテリーが発火してしまった場合には焦らず冷静に消火活動を行いましょう。
一番安全な方法は消火器を使用することです。
バッテリーは電気火災(C火災)です。
消火器にも種類があり、それぞれの火災に適したものを使用しましょう。
詳しい消火器の種類についての記事はこちらから↓
消火器の他には、水で消火する方法もあります。
しかしこのとき、水が少量だとリチウムイオン電池が水と反応し、さらに被害を広げる可能性があります。
消火器が用意できず水で消火する場合は、必ず大量の水で行うようにしましょう。
また、火災が発生してしまった場合、初期消火が推奨されるのは火が小さいうちだけです。火が天井まで届くようなら迷わず避難しなければなりません。119番通報も忘れずに。
初期消火の方法についての記事はこちらから
「火事の初期消火方法とは?対処の流れや避難時の注意点などご紹介!」
【まとめ】バッテリー火災にご注意を!
近年、スマートフォンやモバイルバッテリーの発火による火災が増えています。
スマホやモバイルバッテリーの発火原因を理解し、発火を防ぐ対策をしましょう。
発火の主な原因となるのが、スマホに内蔵されているリチウムイオン電池の損傷です。
以下のことに注意し、リチウムイオン電池の損傷を防止しましょう。
- ●スマホに外傷を与えない
- ●スマホを高熱にさらさない。
- ●正しい充電方法を心掛ける。
万が一火災が起きてしまったら冷静に消火活動を行いましょう。
消火器にも種類があり、バッテリーの火災に適切な消火器の種類は電気火災(C火災)です。
火災共済や火災保険に加入していると、万が一被災したときに金銭的負担を軽減することができます。
神奈川県にお住まい・お勤めの方のための火災共済「横浜市民共済」では、万が一の損害に対する保障や見舞金制度をご用意しています。
ぜひお気軽にご相談ください。
監修:横浜市民共済 普及推進課