雷から家電を守るコンセント対策は?被害を防ぐために知っておくこと
2022年11月10日
皆さんこんにちは。横浜市民共済生活協同組合です。
落雷が発生すると、雷サージと呼ばれる異常な過電圧・過電流が生じることがあります。
この雷サージが建物内に入り込んで家電製品に流れると、故障や破損の原因となるのをご存知でしょうか。
落雷から家電を守る方法の1つが、コンセント対策です。
コンセント対策をしっかり行うことで、雷被害を軽減させることができますよ!
今回は落雷によるコンセントからの被害をご説明するとともに、雷のときのコンセントの扱い方、コンセントを使う家電を雷から守る方法についてご紹介します。
目次
落雷による雷サージと、コンセントからの被害について
コンセントにつながっている家電製品は、雷サージの侵入によって故障してしまうことがあります。
特に、電源線とアンテナ線・通信線(電話線・LANケーブルなど)など複数の線が接続されたパソコンやテレビ、電話機などは故障しやすい傾向があります。
雷サージとは、雷が発生したり、落雷したときに瞬間的に生じる過電圧・過電流のことで、大きく分けて3つの種類があります。
雷サージの種類ごとに、被害内容についてご説明します。
直撃雷サージによる被害
直撃雷サージとは、雷が建物や電線などに直接落雷したときに発生する過電圧・過電流のことです。
瞬間的に数十万~数百万V(ボルト)の高電圧の電流が流れます。
直撃雷は膨大なエネルギーを持っており、建物が破壊されたり、火災が引き起こされたりもします。
電源線や通信線を伝ってくる直撃雷サージを家電製品が受けてしまうと、ほぼ家電製品は破損されます。
後述する雷ガード等の対策をしていても、パソコンなどを保護できない可能性が高いです。
そのため、直撃雷サージ対策としては、避雷針を立てるなど、直撃雷そのものを受けないようにする対策が取られます。
誘導雷サージによる被害
雷が落ちると落雷地点付近の空間の電磁界が変化し、その空間に張ってある電線などに異常な過電圧・過電流が発生することがあります。
この二次的に発生した過電圧・過電流が「誘導雷サージ」です。
誘導雷サージは建物等への直接の落雷ではありませんが、数千~数万V(ボルト)の高電圧を伴う大きな電流です。
これは家電製品が耐えられる電圧を大きく上回っており、誘導雷サージが建物内に侵入すると家電製品を破損させてしまいます。
誘導雷サージによる被害は、パソコンが動かない、エアコンがつかない、電話がつながらない、インターネットが使えないなど多岐に及びます。
これらの被害は、雷サージによる内部基板に取り付けられている電子部品の破損(断線、短絡)が原因であることが多いです。
しかし、外観にダメージがなければ、雷とは関係がない単なる故障に見えることも少なくありません。
誘導雷サージの影響する範囲が広いことから、雷による家電製品の破損は、誘導雷サージが原因であるものがほとんどと言われています。
逆流雷サージによる被害
建物や樹木に落雷すると、雷の電流は地面に流れて地中に吸収されていきます。
このとき、落雷地点と離れた地点の間に電位差が生じ、過電圧・過電流がアース線から逆流する形で建物に侵入します。
これを、逆流雷サージと呼びます。
逆流雷サージが電源線や通信線に入り込むと、その先に接続されている家電製品を故障させることがあります。
雷のときは電源プラグを抜いておくべき?
雷のときに電源プラグを抜くことは、雷サージの侵入経路を遮断することになるので、コンセント経由の雷サージから家電製品を守る確実な方法です。
しかし、雷が鳴り響いているさなかに電源プラグを抜くと、電源プラグを抜く人が感電する恐れがあり大変危険です。
雷が予想されるときや、遠くで雷鳴が聞こえ始めたらあらかじめ電源プラグを抜いておきましょう。
雷の発生に関係なく、普段から使い終わった家電の電源プラグを抜く習慣をつけておくのも雷対策としておすすめです。
なお、家電製品や電源タップの電源スイッチを切るだけですと、電源線がつながったままなので雷の被害は防げません。
電源線の接続を確実に切り離すことが大切なため、電源プラグを引き抜くことが重要です。
雷サージは、通信線(LANケーブル等)やアンテナ線などの電源線以外から侵入してくることもあります。
パソコンやテレビでは通信線やアンテナ線も抜いておくと、雷サージの侵入経路を減らすことになり、より一層安全です。
電源プラグを抜く以外で家電を雷サージから守る対策もチェック!
電源プラグを抜いてしまうのが有効な対策だとわかっていても、外出中は雷への対応ができません。
また、冷蔵庫のように電源プラグを抜くことがそぐわない家電もあります。
「電源プラグを抜く」以外にできる対策についても、知っておくと安心でしょう。
雷ガード付き電源タップを使う
雷ガード付きの電源タップとは、雷サージ吸収素子を組み込んだ電源タップです。
電源タップが雷サージを吸収することで雷サージ(誘導雷サージ)が家電製品に到達するのを防ぎ、家電製品を雷から守ります。
※直撃雷サージによる被害は防げません
ただし、一度雷サージを防いだ雷ガードは雷サージ吸収素子の効力が失われてしまいます。
再度雷サージを防ぐことはできないので、新しいものへ交換が必要です。
雷ガードが雷サージを防いだか否かを判断するには、雷ガードに付いている作動確認ランプを確認します。
このランプが点灯していれば、まだ雷サージを防ぐ機能があることを示し、ランプが消えていれば、すでに雷サージを防いだことを示すものなので交換が必要だとわかります。
雷ガードを選ぶ際は、製品に表示されている「最大サージ電圧」をチェックしましょう。
最大サージ電圧は、どのくらいの大きさの雷サージに耐えられるかを示すもので、数値が大きいほど家電を保護できる可能性が高まります。
分電盤に避雷器を取り付ける
個々のコンセントよりも、上流の分電盤の段階で雷サージを防ぐ方法もあります。
分電盤に避雷器を取り付けると、電源線を通って住宅内に侵入した雷サージは避雷器に流れ、さらにアースを通って地面に流れます。
住宅内の配線には雷サージの高電圧が流れ込まないので、家電製品を守ることができます。
分電盤に避雷器を取り付けるには、電気工事士の資格が必要です。
取り付けの際は、電気工事店など専門の業者に対応をお願いしましょう。
万が一の被害に備えて保険に加入しておく
雷ガードや避雷器で対策をしていても、雷の被害を受けてしまう場合もあります。
雷被害では一度の雷サージで複数の家電製品が同時に破損してしまう可能性もあり、被害額が高額になる恐れがあります。
火災共済や火災保険で「家財」を対象としている場合、落雷による家電(デスクトップパソコン、テレビ、ゲーム機など)への損害をカバーしていることが一般的です。
ノートパソコンは例外的に保障・補償の対象になっていないこともあるので、契約内容をよく確認しておきましょう。
神奈川県にお住まい・お勤めの方のための火災共済「横浜市民共済」でも、落雷による衝撃損害及び送電線への落雷による電気機器への波及損害を保障しています。
持ち家でも借家でも「家財」のみに対するご契約も可能です!
【まとめ】雷のときは電源プラグを抜く!雷ガードや避雷器での対策も
雷サージが侵入すると、パソコンやテレビ、エアコンなどの電子機器や家電製品が故障したり壊れたりする被害が出ることがあります。
そのため、雷が予想されるときや、遠くで雷鳴が聞こえ始めたら電源プラグを抜くようにしましょう。
電源線につながるコンセントを使う家電を雷サージから守るには、電源プラグを抜いておく以外に次の対策が有効です。
- ① 雷ガード付きの電源タップを使う
- ② 分電盤に避雷器を取り付ける
- ③ 損害をカバーできる保険に加入しておく
自分のライフスタイルに合った対策を行い、雷からしっかり家電を守りたいですね。
万が一の被害に備えて、火災共済や火災保険に入ることも雷対策の一つ。
神奈川県にお住まい・お勤めの方のための火災共済「横浜市民共済」でも、落雷による衝撃損害及び送電線への落雷による電気機器への波及損害を保障しています!