災害時の警戒レベルの変更点は?レベル別にとるべき行動や避難方法も
2021年12月23日
皆さん、こんにちは。横浜市民共済生活協同組合です。
令和元年(2019年)6月から、大雨や台風などによる災害の可能性がある場合、5段階の大雨警戒レベルを用いて災害発生の危険度と適切な避難のタイミングが示されるようになりました。
しかし、警戒レベルの運用が始まった後も多くの人が避難の遅れなどにより被災しており、課題となっていました。
このようなことから、避難情報について見直しが行われ、法改正や避難情報の変更などがなされています。
今回は、災害時の警戒レベルにどんな変更があったのか、警戒レベル別のとるべき行動や避難方法などについて詳しくお伝えします。
災害の警戒レベルが令和3年5月に変更!とるべき行動をチェック
令和3年(2021年)、災害対策基本法が改正されました。
これを受け、内閣府(防災担当)では、それまでの避難勧告等に関するガイドラインを改訂し、新しく「避難情報に関するガイドライン」を公表しました。
新しいガイドラインに従い、令和3年(2021年)5月から警戒レベルに対応する避難情報も変更され、より分かりやすくなっています!
それぞれの警戒レベルごとに詳しくご説明します。
警戒レベル1(白色)と2(黄色)
警戒レベル1と2は、これまでと同様で変更はありません。
警戒レベル1では、気象庁から早期注意情報が発表されるので、災害への心構えを高めましょう。
警戒レベル2では、洪水注意報や大雨注意報が発表されるので、ハザードマップなどで避難行動を確認しましょう。
変更前の警戒レベルについて説明した「避難のタイミングは警戒レベル3、4が目安!正しい行動で身を守ろう」もぜひご参考ください。
警戒レベル3(赤色)
警戒レベル3は、大雨警報や洪水警報、川の氾濫警戒情報が発表され、災害のおそれがある状況です。
【変更点】
旧「避難準備・高齢者等避難開始」
↓
新「高齢者等避難」
市町村が発令する避難情報の名称が変更されました。
変更前は「避難準備・高齢者等避難開始」でしたが、変更後は「高齢者等避難」となり、シンプルで分かりやすくなりました。
【とるべき行動】
「警戒レベル3高齢者等避難」が出たら、避難に時間のかかるお年寄りや障害のある方、またその支援者、乳幼児のいるご家庭などは、危険な場所から避難しましょう。
このほかの人は、普段の行動を見合わせたり、避難に備えて避難場所の確認や持ち出す物の準備を整えましょう。
「避難時の持ち物、最低限準備したいものはこれ!日頃から災害時の備えを」ご参考ください。
また、危険を感じたら、高齢者等でなくとも自主的な避難を始め、危険な場所から離れましょう。
警戒レベル4(紫色)
警戒レベル4は、土砂災害警戒情報や氾濫危険情報が発表され、災害のおそれが高い状況です。
【変更点】
旧「避難勧告・避難指示(緊急)」
↓
新「避難指示」
市町村が発令する避難情報の名称が変更されました。
変更前は「避難勧告」と「避難指示(緊急)」の2つの情報で避難を呼びかけていましたが、「避難勧告」は廃止され、「避難指示」に一本化されました。
【とるべき行動】
「警戒レベル4避難指示」が出たら、高齢者等に限らず、危険な場所にいる人は全員避難しましょう。
安全に避難場所へ移動できるのは、警戒レベル4までです。
この後の警戒レベル5の発令を待ってはいけません!
「警戒レベル4・避難指示」が出たら、必ず全員避難と心得ましょう。
警戒レベル5(黒色)
警戒レベル5は、大雨特別警報や氾濫発生情報が発表されるなど、災害が発生または切迫している状況です。
安全に避難場所に移動するのは難しく、命の危険が迫っている状況です。
【変更点】
旧「災害発生情報」
↓
新「緊急安全確保」
変更前の「災害発生情報」では、具体的にどのように行動すれば適切なのかが分かりにくいという課題がありました。
また、市町村が災害の発生を把握できず、警戒レベル5(災害発生情報)を発令できなかったことも多く、有効に機能していないという課題もありました。
変更後は、避難情報を「緊急安全確保」とし、直ちに安全な場所で命を守る行動をとるよう呼びかけが行われます。
【とるべき行動】
すでに避難先への移動は危険な状況です。
建物の2階以上や、崖の反対側の部屋に移動するなど、その場でできる「身の安全を確保するための最善の行動」をとりましょう。
【注意点】
警戒レベル5は必ず発令される情報ではありません。(発令されないこともあります。)
警戒レベル5を待つことなく、必ず警戒レベル4までに、危険な場所にいる全員が避難しましょう!
災害時に避難する方法は?避難行動判定フローもチェック!
避難とは、難を避けること全体を指しています。
必ずしも市町村で指定した小・中学校や公民館といった指定緊急避難場所への移動だけが避難というわけではありません。
災害時に避難する方法
災害時の避難方法には、大きく4つの方法があります。
①行政が指定した指定緊急避難場所(小・中学校や公民館等)へ避難する
避難先には、マスク、消毒液、体温計、スリッパ等を持っていきましょう。
②安全な親戚や知人宅に避難する
日頃から災害時に避難することを相談しておきましょう。
③安全なホテルや旅館に避難する
事前の予約と、通常の宿泊料が必要です。
④屋内安全確保をする(自宅等に留まる)
次の「3つの条件」が確認できれば、浸水の危険がある地域でも自宅等に留まり安全を確保することが可能です。
- ・家屋倒壊等氾濫想定区域に入っていない
- ・居室は想定最大浸水深より上にある(マンションの高層階等)
- ・水が引くまで我慢でき、水や食料の備えが十分にある
3つの条件のうち1つでも揃わない場合や土砂災害の危険がある区域では、①、②、③のような「立退き避難」が原則です。
警戒レベル4までに迷わず避難場所へ避難しましょう。
4つの方法に共通して大切なことは、事前にハザードマップで自宅を含め避難場所や避難経路が安全かを確認しておくことです。
普段から家族や周囲の人と相談して、いざというときにどこに避難するかを決めておきましょう。
ペットを飼っている場合、ペットの避難についても考えなければなりません。
「災害時の避難でペットはどうする? 必要な準備や注意点を解説!」もぜひご参考ください。
避難行動判定フローをチェック
災害時に適切な避難を行うためには「避難行動判定フロー」が便利です!
「避難行動判定フロー」では、災害時にとるべき避難行動をフローチャート形式で簡単に選択できます。
ハザードマップを手元に用意し、災害に対する事前準備や災害時の対応について確認してみましょう。
災害から命を守る警戒レベル!避難情報の変更で分かりやすく!
令和3年5月から警戒レベルに対応する避難情報が変更されました。
警戒レベル3:高齢者等避難
警戒レベル4:避難指示
警戒レベル5:緊急安全確保
(警戒レベル1・2は変更なし)
高齢者など避難に時間がかかる人は「警戒レベル3」、その他の人も「警戒レベル4」で、必ず全員避難することが大切です!
避難の際は、指定緊急避難場所の他、安全な親戚・知人宅や、安全なホテル・旅館に避難することも考えましょう。
自宅で安全が確保できる場合、自宅で屋内安全確保をすることも可能です。
家族や周囲の人と一緒に、避難行動判定フローをチェックして、いざという時にどこへ避難するかを決めておくと安心ですよ!
神奈川県にお住まい・お勤めの方のための火災共済「横浜市民共済」では、台風や洪水等により20万円以上の被害を受けた場合、別途掛金不要の「風水害等見舞金」をお支払いしています。
万が一の被害に備えることも、暮らしの安心のひとつです!